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FDA希少疾病用医薬品指定(オーファンドラッグ指定)申請プロセス

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希少疾患

米国には7,000を超える希少疾患が存在し、3,000万人以上が影響を受けています。これらの希少疾患の多くは生命を脅かすものであり、ほとんどは根治療法がありません。オーファンドラッグ(バイオ医薬品を含む)は、希少疾患の予防、治療、診断に用いられます。

オーファンドラッグ法(Orphan Drug Act:ODA)は、FDAが医薬品またはバイオ医薬品を希少疾患または希少な病態の治療薬として認定するための法的根拠です。ODAは1983年に制定され、希少疾患治療薬の開発者に対して財政的インセンティブ等を付与することで、希少疾患領域の製品開発を促進することを目的としています。本稿では、FDAのオーファンドラッグ指定(Orphan Drug Designation:ODD)プロセスの概要を解説します。

オーファンドラッグ指定(ODD)の概要

ODDプロセスは、スポンサーがODD申請書をFDAに提出することから開始します。ODD申請の審査を担当する部門は、FDAの特定製品を所管するオフィスではなく、オーファンドラッグ製品開発局(Office of Orphan Drug Product Development:OODP)である点を強調しておく必要があります。

オーファンドラッグ指定のメリット

  • 臨床試験に対する税額控除
  • NDA/BLA申請手数料の免除(約200万米ドル)
  • オーファンドラッグが上市された後7年間、同一適応に対して同一薬剤は承認されない

ODD評価の主な基準

  • 米国内の患者数が20万人未満であること
  • 希少疾患または希少な病態の予防、診断、治療における当該薬剤の有望性
  • 当該薬剤の潜在的有益性を示すエビデンス(非臨床データおよび/または臨床データに基づく可能性あり)

スポンサーは開発プロセスのいかなる段階でもODD申請を規制当局に提出できますが、通常は初回IND申請前に提出されます。

ODD申請に必要な情報

(1) 申請者の管理情報

申請者に関する情報、主たる連絡担当者に関する情報、米国居住代理人(US Resident Agent)および関連情報、ならびに製品情報。

(2) 疾患または病態の説明

オーファンドラッグ指定は「適応」ではなく「疾患または病態」を対象とします。申請者は、薬剤の作用機序、疾患の病態生理、疾患原因、利用可能な治療法、疾患予後について説明する必要があります。

(3) 当該薬剤の治療的可能性、予防的可能性等を裏付ける十分な科学的根拠

(4) 患者数の算定により当該疾患が希少であることを立証

患者数の推定は、有病率(prevalence)および発生率(incidence)に基づきます。腫瘍については、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)のSEERシステムを用いて算出できます。

疾患罹患者数の算定は、平均値ではなく、最も保守的な算定(すなわち、最も高い発生率に米国人口を乗じて罹患者数を算出する方法)で実施すべきです。データが米国内の一地域のみ、または米国外地域のみで入手可能な場合には、当該データを適用できる理由およびデータの限界について説明し、データの信頼性を担保する必要があります。

(5) 規制上のステータス

米国および他国におけるPre-IND、IND、NDA、BLAの情報(コードおよび適応情報を含む)、欧州のODD申請情報、ならびに他の疾患または病態における当該薬剤のODD情報。

詳細は21 CFR 316.20(b)に規定されています。Form 4035は、スポンサーが必要な申請内容を漏れなく簡潔に提示するうえで有用です。

ODD申請の提出経路

Covid-19等の公衆衛生上の緊急事態においては、orphan@fda.hhs.gov宛にメール送付することで電子的に申請を提出できます。

  • 受領確認の二重確認を避けるため、自動開封確認(read receipt)の設定が推奨されます。
  • SecureEmail@fda.hhs.gov宛に依頼してセキュアメールリンクを確立し、電子証明書による暗号化送信を行うことが推奨されます(営利組織には手数料が課されます)。
  • 通常は、CD-ROMを郵送する形式での提出が推奨されます。他の物理媒体は使用できません。

外国スポンサーは、21 CFR 316.22に記載のとおり、米国永住の代理人により、スポンサーに代わってオーファンドラッグ適格性申請を提出することが求められます。オーファンドラッグ適格性に関する文書作成を担ういかなる組織も代理人として行為できます。スポンサーは代理人を変更する場合、第一報としてOODPに通知する必要があります。

有病率データ

多くの希少疾患の有病率データは、政府機関またはその他の組織のウェブサイトから入手できます。有病率データの推定に用いた全ての資料は、申請書に添付する必要があります。

スポンサーは可能な限り、米国人口に関する最新の有病率データを入手すべきです。過年度データまたは外国データしか入手できない場合は、その理由を説明する必要があります。米国人口に対して可能な限り正確なデータを反映するため、スポンサーは米国国勢調査局(U.S. Census Bureau)のデータを使用すべきです。

  • 推定値がレンジで示される場合、スポンサーが他のデータの方がより正確である理由を説明できない限り、FDAは最大推定値のみを受け入れます。
  • 希少疾患の診断または予防を目的とする場合、毎年当該薬剤の投与が必要となる人数の提示が必要です。
  • 疾患が急性(罹病期間が1年未満)の場合、発生率を用いて当該薬剤を使用する人数を推定できます。
  • 再燃・寛解を繰り返す周期性疾患の場合でも、有病率の推定が必要です。
  • レセプトデータベースまたは外国データを使用する場合、当該データが米国人口にどのように一般化できるか、ならびにデータの限界を明確にする必要があります。

オーファンドラッグの独占性

オーファンドラッグ法はイノベーションを促進し、より有効性の高い医薬品の開発を加速させます。同法は、オーファンドラッグの市場独占性に関する判断が希少疾患治療の進歩を阻害することを意図していません。

スポンサーは、新薬が既承認薬に対して臨床的優位性(clinical advantage)を有する可能性を示す、信頼できる根拠を提示する必要があります。臨床的優位性とは、より有効であること、対象集団の大部分においてより安全であること、または患者ケアへの主要な貢献(Major Contribution to Patient Care:MC-to-PC)を有することを意味します。

市場独占性を得るためには、スポンサーは当該薬剤が同一用途に対する既承認薬より臨床的に優れていることを立証しなければなりません。多くの場合、既承認薬を対照として安全性および有効性を比較するヘッド・トゥ・ヘッド試験が必要となります。

MC-to-PC

重篤または生命を脅かす疾患において、薬剤がMC-to-PCに該当するかを検討する際の主な要素は以下のとおりです。

  • 治療場所の利便性
  • 治療サイクル時間
  • 患者の快適性
  • 治療負担の軽減
  • 投与の容易性および快適性の向上
  • 投与間隔の延長
  • セルフケアの可能性

FDAが考慮しない要素には、治療費および治療アドヒアランスが含まれます。

スポンサーは、合理的かつ十分な説明を行うことで、非希少疾患/病態における希少な臨床カテゴリーに対してオーファンドラッグ指定を取得できる場合があります。スポンサーは、当該薬剤が対応する希少な臨床カテゴリー以外の疾患/病態には決して使用されないことを、OODPに対して明確に説明しなければなりません。

ODDの審査プロセス

(1) 申請に番号が付与され、OODPデータベースに登録され、スポンサーに確認メールが送付されます。

(2) 指名されたOODP審査担当者が申請の審査を完了します。必要に応じてFDAから助言支援を受ける場合があります。

(3) 審査コメントは、二次審査のためオーファンドラッグ指定プログラム・ディレクターに送付されます。

(4) ディレクターが指定書、追加情報要求(release)または却下文書に署名し、スポンサーに送付します。

Proregulationsは、医薬品コンプライアンスおよび薬事登録の専門チームを擁し、FDAのオーファンドラッグ指定および申請プロセスと要件について深い知見を有しており、お客様に対して的確なガイダンスを提供できます。当社サービスにご関心がある場合、または詳細が必要な場合は、お問い合わせください。

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