公衆衛生の保護および増進を目的として、FDAは、生命を脅かす疾患または不可逆的に重篤な障害をもたらす疾患の治療/診断に用いられる特定の医療機器および機器主導型コンビネーション製品を対象に、任意参加の「ブレークスルー医療機器プログラム(Breakthrough Device Program)」を設けています。本記事では、ブレークスルー医療機器プログラムの概要と最新動向を解説します。
ブレークスルー医療機器プログラムは、PMA(Premarket Approval:市販前承認)、510(k)(Premarket Notification:市販前届出)、およびDe Novo(De Novo Marketing Authorization:De Novo販売承認)に係る開発、評価、審査プロセスを迅速化することにより、患者および医療提供者が医療機器へ適時にアクセスできるようにすることを目的としています。
ブレークスルー医療機器は、販売承認を取得するために、FDAが求める厳格な安全性および有効性の要件を満たす必要があります。本プログラムは、医療機器におけるRapid Access PathwayおよびPriority Reviewに代わるものであり、FDAはRapid Access Pathwayの指定を受けた機器をブレークスルー医療機器プログラムの一部として取り扱っています。
FDAの公式発表によれば、2023年6月30日時点で、CDRHは831件の機器にブレークスルー医療機器指定を付与し、そのうち77件がブレークスルー医療機器指定を受けたまま販売承認を取得しています。これらの機器は多様な使用目的を有し、複数の規制経路にまたがっており、本プログラムの影響の大きさを示しています。
ブレークスルー医療機器プログラムでは、機器メーカーがFDAの専門家と多様な形で対話でき、市販前審査段階で生じる課題に効果的に対応できるよう支援します。メーカーはFDAとのやり取りを通じて適時のフィードバックを得て、合意点を明確化することが可能です。
PMA、510(k)、またはDe Novoの対象となる機器は、以下の2つの要件を満たす場合、ブレークスルー医療機器指定の対象となります。
当該機器が、生命を脅かす、または不可逆的に重篤な障害をもたらすヒトの疾患または状態を、より効果的に治療または診断すること。
当該機器が、さらに以下のいずれか少なくとも1つを満たすこと:
機器メーカーは、販売申請(marketing application)提出前の任意の時点で、「Breakthrough Device Designation Request(ブレークスルー医療機器指定申請)」としてQ-Submissionを提出することにより、ブレークスルー医療機器指定を申請できます。なお、指定申請はQ-Submission内で唯一の申請事項である必要があります。
ブレークスルー医療機器指定を希望しており、他のフィードバック依頼が未決のものがある場合、指定の可否が他の依頼に対するFDAのフィードバックへ影響し得るため、FDAが指定判断を行った後にフィードバック依頼を提出することが推奨されます。
Q-Submissionの提出手順は、ガイダンスRequests for Feedback and Meetings for Medical Device Submissions: The Q-Submission Programに示されています。
FDAは、ブレークスルー医療機器指定申請に含めることが推奨される事項を公式に公表しています:
FDAは、ブレークスルー医療機器プログラム申請の受領後30日以内に、追加資料の提出要請を行うことにより、申請者へ指定判断に関する連絡を行います。
また、FDAは、申請受領後60日以内に、当該製品がブレークスルー医療機器プログラムの指定を受けたか否かを書面にて通知します。
2023年9月14日、FDAはBreakthrough Device Program Final Guidanceを更新しました。
FDAは、2022年10月20日に公表したドラフトガイダンス「Reducing Disparities in Health and Health Care」に基づき、ブレークスルー医療機器プログラムに関する最終ガイダンスを改訂しました。最終ガイダンスの主なポイントは以下のとおりです:
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